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閑古鳥音楽帳

ウェブサイト「閑古鳥音楽廊」のブログです。読書、作曲の話題など。

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日本を創った12人【堺屋太一 PHP文庫】

 7/31から8/4まで夏季休暇(実際は、7/29と7/30が、夏季休暇中の休日出勤)。この間に、1日1冊ずつ、読み終わった本について書いていけるのが理想。

 さて、「日本を作った12人」である。本の中では、以下の12人について触れている。

  1. 聖徳太子
  2. 光源氏
  3. 源頼朝
  4. 織田信長
  5. 石田三成
  6. 徳川家康
  7. 石田梅岩
  8. 大久保利通
  9. 渋沢栄一
  10. マッカーサー
  11. 池田勇人
  12. 松下幸之助

 誰でも7~8人は知っているくらい、有名な人物に焦点を当てて書かれている。私も「知っている名前が多いなー」と、そこから興味を持って買ったクチだ。結果、今年中に、もう一度読み返したいと思う一冊となった。

 読後、現代の日本に対し、特に大きい影響を与えているのは、聖徳太子池田勇人かなと思った。

 

 聖徳太子は、旧来の神道と伝来の仏教を共存させた点(習合思想)が非常に大きい。海外を見れば分かるように、21世紀の現代でも宗教戦争は起きるし、テロも紛争も宗教絡みが多い。もし聖徳太子が習合思想を完成していなければ、日本でも宗教戦争が頻繁に起きただろう。

 戦争は国を疲弊させ、外国が付け込むスキを生む。「今の日本が私たちの知る日本であるのは、約1500年前の日本人が生み出した考え方に依るのだ」と考えると、割とロマンである。

 仮に習合思想が、神道と仏教を共存させるための思い付きであったとして、それが現代にここまで影響するとは思っていなかっただろうなあ。

 

 池田勇人は、経済大国日本への筋道を作り出した点。私達が今のレベルで生活しているのは、池田勇人の「所得倍増計画」があったからこそである。でなければ、2013年時点の日本が発展途上国であった可能性は、ある。

 「所得倍増計画」には功罪両面がある。経済的に豊かになった代償として、公害、過密・過疎、地域コミュニティ崩壊、カネが全ての社会…など、様々なひずみが生まれた。私が特に思うのは、(私も含め)各々の利己性が強くなっている点だ。電車マナーとか、老若男女を問わずいろいろヒドいわけで。

 先日、電車とホームの間にハマり込んでしまった女性を、駅員と乗客で助けた記事があった。あれが例外とは言わない。おそらく現代は『日本人固有の助け合い精神』と、所得倍増計画以降の『利己的精神』が入り混じった状態なのではないか?

 「立ち止まり、振り返り、見直す」ときにあると、私は思う。

 

 この本は、飛鳥時代の人物を導入にし、途中から「官僚制度が悪い、官僚制度が悪い」と連呼し始める。すこしその辺りにうざったい所はあるが、全体的には面白い内容だ。